福岡県認知症医療センターのセンター長のご挨拶

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センター長のご挨拶

久留米大学病院の福岡県認知症医療センターとしての役割

 最近行われた我が国における認知症の有病率は65歳以上の老年人口の14%を超え、既に400万人に達しており、また、予備軍である軽度認知障害(MCI)も同程度に存在すると推定されています。この結果は認知症が新たな「国民病」であることを明確に示しています。

 そこで、国は平成20年度(2010年度)から新たに認知症の専門医療機関として、認知症疾患医療センターの指定を開始し、全国に認知症疾患医療センターは170か所以上整備され、福岡県も平成23年11月に5か所の認知症医療センターを指定しました。久留米大学もその1つとして福岡県認知症医療センター久留米大学病院として開設しました。

 当センターでは地域における保健医療・介護機関等と連携を図りながら、認知症疾患に関する鑑別診断、周辺症状と身体合併に対する急性期治療、専門医療相談等を各医療機関等と協力して実施するとともに地域保健医療・介護関係者への研修等を行い、地域における認知症疾患の保健医療水準の向上を図ることを目的としています。

 実際には久留米大学病院の医療連携センター内に相談窓口を設置し、認知症に関する専門知識を有する精神保健福祉士を配置し、本人、家族、関係機関からの認知症に関する医療相談に対応しています。また、治療については、認知症医療センターで受け入れるほか、地域の専門医療機関、一般病院や精神科病院と緊密な連携を図り、地域全体で受け入れる体制をとっています。地域連携の推進を図るため、地域の医療機関、地域包括支援センター、区市町村、保健所・保健センター等の関係機関、家族介護者の会等と地域医療連携協議会等を開催し、地域において関係者が密接に連携するネットワーク作りを行っています。認知症に関する正しい知識を習得して、地域で活用していただけるよう様々な情報を提供してまいりますのでよろしくお願い致します。

久留米大学医学部神経精神医学講座
内村 直尚

久留米大学病院認知症医療センター 挨拶文

 高齢化社会を反映して認知症患者は急増しており、厚生労働省の算出したデータによると、団塊の世代が65歳以上になる2015年には302万人、さらに今の40代が65歳以上になる2035年には445万以上に増加すると推計されています。それゆえ、認知症の急増に対する予防および早期発見・治療が大切であると考えられます。

 久留米大学病院認知症医療センターは、福岡県に保健医療・介護機関との連携、認知症疾患の保健医療水準の向上を目的に設置された、5つの医療機関の一つとして2012年より活動をスタートさせました。久留米市を中心とした北部筑後地方の中心的医療基幹病院として、地域の医療・介護関係者との連携をはかりつつ、情報の共有や関係者の研修、一般の方々への情報発信や啓蒙活動なども含め、幅広く活動の輪を広げつつあります。また県内でも広い地域を受け持つ拠点として、久留米市行政、久留米医師会・精神科医会が中心となり久留米市および久留米地域における認知症ネットワーク構想に基づき、久留米認知症ネットワーク研究会を立ちあげました。現在、認知症医療センターとの活動を共にリンクさせ、さらにみなさんへのサービスを向上させるべく努力しています。

 医学の進歩によって、昔の方々に比べると、私たちの「老後」と呼ばれる時間は飛躍的に長くなってきました。その時間をより大切に過ごしていただくために、私たちはこれからの高齢者の暮らしに寄り添い、認知症の方もその家族も安心して生活できる地域づくりをめざしていきたいと考えています。

久留米大学高次脳疾患研究所
森田 喜一郎

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